順道会の特徴

日本空手道順道会(以下『順道会』)の特徴

 空手の型の第一の目的は、沖縄(琉球)の名人、達人たちが実戦を経て苦難の末に完成させた『実戦の攻防技術の記憶』を学ぶことにあります。
 現代空手は、護身術としての意味が薄れ、競技スポーツ空手となりました。目的も『身を守るため』から『競技に勝つため』に変わり、スピード・パワー・タイミングを重視するようになりました。これは、組手競技だけでなく、型競技にも同じことが言えます。
 歌舞伎の【見栄を切る】ではありませんが、必要以上の大袈裟な動作、顔の表情、不自然な呼吸を用い、本来の型から逸脱した様式美を競い、本質が失われています。組手や型試合に勝っても、実際には実戦では何の役にも立ちません。何故か?本来の沖縄正伝空手の正しい型の用法(分解)を教わり、理解して稽古をしていないからです。当会では沖縄正伝空手の型を研究し、その用法を本来の実戦護身空手の柱として指導しています。年齢・体力に関係なく、生涯護身空手の技が身につきます。

 

宮里派糸東流(みやさとはしとうりゅう)とは

 空手の発祥の地沖縄で、古来より「手」と呼ばれる武術があり、14世紀中国の明との国交により伝えられた中国拳法を加味しながら発展してきました。その「手」こそが空手の原点なのです。
「手」は「那覇手(なはて)」 「首里手(しゅりて)」 「泊手(とまりて)」とそれぞれが根を下ろす土地名で呼ばれています。中でも重厚力感的な「那覇手」と軽快敏速なる「首里手」が二大系統として挙げられます。
 宮里派糸東流空手道は、糸東流空手道坂上隆祥師範の型(首里手)を正しく伝承し、尚沖縄剛柔流宮里栄一師範(那覇手)を忠実に継承し、沖縄古来の空手の原点である「手」、即ち「首里手」、「那覇手」の二大系統を正しく伝えるものであります。

 ちなみに糸東流とは拳聖と言われた首里手の大先達である故糸洲安恒先生の「糸」と那覇手の主流といわれた故東恩納寛量先生の「東」を流派の名前に取り入れたものです。